【タイ】運河沿いで家庭料理とプチ船旅を楽しむ、「アーハーン・バーン・クン・レック」
2026.8.19
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タイ人はソーシャルメディアが大好き。18歳以上のタイ人のソーシャルメディア利用率は96.3%にも達しています(※)。先日のブログ記事「ルンピニー公園の青空エアロビクス」も、20年以上前から市民に親しまれていたイベントにもかかわらず、突然の大ブームが到来したのはネットミームがきっかけでした。
6月頃からSNSで頻繁に目にするようになった「ケーキ・ボーラーン」にも、「なぜ今頃?」というブームが到来。タイ人が子ども時代を懐かしむレトロなケーキとは、どんなお菓子なのでしょうか。今回はそのブームの背景を探ってみました。
きっかけは、とある女性インフルエンサーが車の中で「ケーキ・ボーラーン」を食べる動画をTikTokに投稿したことに端を発します。「ボーラーン(โบราณ)」とは「昔の、古代の」という意味ですが、この記事内では「昔ながらの」と訳すことにします。
昔ながらのケーキ、「ケーキ・ボーラーン」は、スポンジケーキの表面にバタークリームを塗り、ジャムのソースで飾りつけをしたシンプルかつレトロなケーキ。これがタイ人の皆さんに刺さったようで、動画で取り上げられたベーカリー(中部ロッブリー県)には注文が殺到して生産が追いつかず、予約販売に切り替えるまでに。話題のケーキが入手困難になったことで、人々は類似商品を販売する店を探し、情報をシェアするようになりました。こうして、「ケーキ・ボーラーン」を求める動きが広がっていったのです。
この「ケーキ・ボーラーン」、発端となったベーカリーでは「90年代のケーキ」と呼んでおり、国民の年齢中央値が約41歳のタイ人にとっては、まさに、「子ども時代の記憶に残る、懐かしのケーキ」。直径15cmのホールケーキが200バーツ(約1,000円)からという価格設定も手が届きやすく、今回のブームを後押ししたようです。日本人にとっては、昭和の時代のバタークリームケーキに通じるものがありますね。
ブームの発端となったケーキにそっくりの見た目のケーキがこちら。直径約10cmで、価格は65バーツ(約325円)。タイ初の製粉会社、UFM(United Flour Mill)のベーカリーショップ「UFM Bakery House」で販売されているケーキ・ボーラーンです。スポンジケーキにバターブレンド製のクリーム、苺のソースに赤いジェリーボールまで完コピ!クリームにはさらにショートニングまで混ぜて、飾りつけのクリームが形を維持できるように融点を高くしています。それが理由でクリームの口溶けはあまりよくないのですが、年間を通して高温多湿のタイでは、生クリームや生のフルーツを使ったケーキに比べ、バタークリームやジャムを使ったケーキのほうが保存が利くという利点があります。
筆者が購入した店舗はこじんまりとしており、特にケーキ・ボーラーンの宣伝をしていたわけでもないのですが、ショーケースの中の数十個のケーキはいずれも予約注文分らしく、名前が書かれた紙が貼られていました。
所在地:62/1 Silom Road, Suriyawong, Bangrak, Bangkok
アクセス:BTSシーロムライン・サーラーデーン駅(Sala Daeng)から徒歩1分
営業時間:月~金 6:30~19:00 土日 7:00~17:00
多くの日本人が居住するスクムビットエリアにもケーキ・ボーラーンを扱う店があります。プラカノンにある「プラジャック・ベーカリー」は、1976年に創業した老舗ベーカリー。同店が作る中部スパンブリー県の名物菓子、「サーリー・スパン(สาลี่สุพรรณ)」は、タイの老舗グルメガイド「シェルチュアンチム(เชลล์ชวนชิม)」に認定されています。
ショーケースにはバースデー用でしょうか、色鮮やかなデコレーションケーキが並んでいました。カットケーキのケーキ・ボーラーンのほか、各種焼き菓子やパンもあります。物価が高騰する昨今にあっても、価格設定も昔のままの良心価格。筆者がいただいたスコット・クルアップ(สก็อตเคลือบ)はなんと50バーツ(約250円)でした!
所在地:200, 200/1-2 Sukhumvit 71 Road, Prakhanong-nua, Wattana, Bangkok
アクセス:BTSプラカノン駅(Phra Khanong)から徒歩14分
営業時間:8:00~20:30
※店内でイートインも可能です。コーヒーなどのドリンクもあります。
これまでタイで数々の流行の変遷を目の当たりにしてきた筆者は、タイ人は熱しやすく冷めやすい傾向があると感じています。今回の「ケーキ・ボーラーン」ブームがいつまで続くのかはわかりませんが、再びスポットライトが当たった昔ながらのベーカリーやケーキショップが、このブームをきっかけに少しでも繁盛することを願っています。