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ガウディの処女作でタイル業者のマヌエル・ビセンスの別荘として建てられた。当時隣には修道院があったが、その壁があまりにも汚かったため、ガウディは建物自体を修道院の壁を覆うつる草に見たて、緑のタイルで建物を覆った。また敷地には黄色の花々が咲き、シュロの木が青々と茂っていたことから、黄色の花のタイルがちりばめられ、鉄柵にはシュロの葉がモチーフとして使われている。この頃国際的に多彩色建築が、また国内ではネオ・アルハンブラ(アルハンブラ宮殿の模倣)とネオ・ムデハル(キリスト教建築とイスラム建築が混合したスペイン独特の建築様式)がマドリード中心に流行していたが、カサ・ビセンスにもその影響が見られる。かつては個人宅だったが、改装プロジェクトを経て2017年から内部見学が可能になった。