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サン・ロレンツォ教会の後ろに接続して建てられている(入口はマドンナ・デリ・アルドブランディーニ広場)。「君主の礼拝堂」Cappella dei Principiはジョヴァンニ・デ・メディチの設計に基づいてニジェッティが造った(17世紀初頭)、歴代トスカーナ大公家の墓所である。8角形の礼拝堂の床や壁面は大理石や高価な貴石をふんだんに使って埋め尽くされ、巨大な棺の上にはブロンズの像が乗って、メディチ家の権力を誇示しているかのようだ。ひたすら大きな空間には圧倒される。
一方、「新聖具室」Sagrestia Nuova(1521~24年)はミケランジェロの設計による正方形プランのシンプルで小さな霊廟で、設計と装飾のすべてをひとりの芸術家が手がけた最初の例でもある。壁面に設けられたニッチや付け柱、窓や円蓋などが計算されたバランスと明解さをもって配置され、向き合うふたつの墓碑と一体化している。
彼は廟の完成後に、有名なふたつの墓碑に着手。兜をかぶり傭兵隊長の装束で憂い顔の像が乗っているのがウルビーノ公ロレンツォ・デ・メディチの墓碑Monumento a Lorenzo Duca d' Urbinoで棺の上に『黄昏』Crepuscolo、『曙』Auroraの寓意像がある。向き合うのが躍動的なネムール公ジュリアーノ・デ・メディチの墓碑Monumento a Giulio Duca di Nemoursで棺の上に『昼』Giorno、『夜』Notteの像が横たわっている。
また、ロレンツォの像には『思索』、ジュリアーノの像には『行動』の題名をミケランジェロ自身が与えている。結局ロレンツォ豪華王とその弟ジュリアーノの墓は完成されず、遺骸は後代になってから、同じくミケランジェロの手による『聖母子像』Madonna col Bambino(ふたりの墓碑を飾るはずであった)の下の棺に収められた。灰色の砂岩と壁面の白が、墓所にふさわしい気品と静けさを与えている。
・当日窓口で購入
→ピーク時には30分~ほど並ぶことも。
・オンラインで事前日時指定予約
→オンライン購入サイト※日本語あり※入場料+予約料€3が必要
・フィレンツェカードを利用
→専用窓口「infoPoint」から並ばずに入場可能