
【イタリア・ミラノ】歴史が詰まった美しい図書館
2025.4.7
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ミラノデザインウィークとは、毎年4月に開催される世界最大級のデザインイベント。
メイン会場で開催される「ミラノサローネ国際家具見本市」とミラノの町全体がデザインの展示会場になる「フオーリ・サローネ」。さまざまなブランドやデザイナーによる展示があり、中にはギフトがもらえるスポットも。
多くの人々で賑わう「ミラノデザインウィーク」は、世界中の人々が注目するデザインの祭典でもあるのです。今回は、歴史やフオーリサローネの見どころ、人気エリアをご紹介。
ミラノサローネ国際家具見本市は、1961年にイタリア家具やインテリアを輸出するため開催されたのが始まり。
イタリア語でSalone del Mobile Milano (サローネ・デル・モービレ・ミラノ)と呼ばれ、Saloneはエクスポ・展覧会、Mobileが家具という意味があります。
ミラノサローネの会場は、ミラノ郊外にあるRho Fiera Milano(ロー・フィエラ・ミラノ)。毎年、30万人以上が来場。ミラノ・サローネと同じ時期に開催されているのがフオーリ・サローネ(Fuori Salone)です。
Fuoriは、外という意味があり、会場はミラノ市内各地。
世界中のデザイナーやブランドが参加し、展示会やインスタレーション、イベントが開催されます。平日でも人気デザイナーのイラストレーションには長蛇の列ができるほど。
ミラノサローネとフオーリサローネを合わせて「ミラノデザインウィーク(Milano Design Week)」と呼ばれているのです。
ミラノ市内では、企業やデザイナー、個人などによる展示が点在。デザイン業界やファッション愛好家、トレンドを追う人々が集結するのです。
フオーリサローネの会場は、無料で入場可能。一部予約が必要なスポットもあり、公式サイトでメールアドレスを登録するとQRコードのついたチケットがメールに届きます。
グッチやサンローラン、ルイヴィトンなど人気ブランドは予約必須です。
会場になっている場所にも注目。かつて修道院だった場所や劇場、宮殿を使用。
普段は一般公開されていない歴史的な建築物も、この日だけは特別にオープンするのです。
町中には、ポップアップショップも登場し、ドリンクや香水、化粧品のサンプルがもらえることも。町を散策しているだけで発見があって楽しめます。
展示場の中には、トートバッグや雑貨をギフトにくれることもあり、限定品を求める人たちで行列が。
そのほか、期間限定カフェもあり見逃せません。
今年のテーマはライト、インスタレーションは灯り・光を駆使したデザインが今回の見どころ。
ここからは筆者が訪れたスポットをピックアップ。
ルイ・ヴィトンは、国際的なデザイナーとのコラボレーションによる家具やインテリア「ルイ・ヴィトン ホーム コレクション」を発表。
限定のショールーム「オブジェ・ノマド」でコレクションを展示しています。
会場となっているのは、18 世紀に使用されていた豪華なセルベッローニ宮殿(Palazzo Serbelloni)。
この場所は、ナポレオンもかつて所有していた歴史ある建物で、ミラノファッションウィークにも使用されています。
各部屋には、食器やカーペット、クッションなど展示、革新的なデザインやコレクションが魅力的です。
■Louis Vuitton
会場:Corso Venezia, 16, Milan(Palazzo Serbelloni)
Info:https://www.fuorisalone.it/it/2025/eventi/5967/Louis-Vuitton-Objets-Nomades
イタリアの家具ブランドカッシーナは、劇場でアーティスティックなインスタレーションと演劇パフォーマンスを企画。
会場となっているのは、テアトロ・リリコ(Teatro Lirico)。
没入型の演劇パフォーマンスは英語で行われ、歌や踊り、朗読など見応えたっぷりの1時間。
劇場のステージには、コレクションが展示されているので来場者もステージに上がり家具の心地よさを体感できます。
■Cassina|Staging Modernity
会場:Via Larga, 14, 20122 Milano MI(Teatro Lirico)
Info:https://www.fuorisalone.it/it/2025/eventi/6249/Staging-Modernity
ミラノの観光スポットでもあるブレラ絵画館(Pinacoteca di Brera)で展示されているのは、ライトインスタレーションで知られるイギリスのアーティスト、エス・デヴリンによる「光の図書館(Es Devlin. Library of Light)」
17世紀からの歴史あるブレラ絵画館にある屋外の中庭に巨大な図書館を展示。本棚はゆっくりと回転し、周りを囲むように佇む回路も魅力的です。
夜になるとライトアップされて図書館が幻想的な雰囲気になります。
ブレラ絵画館には、歴史あるブライデンセ国立図書館も併設されているのでそちらもおすすめ観光スポットの一つ。
■Es Devlin. Library of Light
会場:Via Brera, 28, 20121 Milano MI(Pinacoteca di Brera)
Info:https://www.fuorisalone.it/it/2025/eventi/6000/Es-Devlin-Library-of-Light
グッチは、「バンブー・エンカウンターズ」と題した展示。
ハンドバッグの持ち手に竹を使い始めた1940年代半ばのデザインからイスピレーションを得たインスタレーションが楽しめます。
会場となっているのは、サン・シンプリチアーノ教会に隣接されている修道院にある回路(Chiostro Grande di San Simpliciano)。
4世紀からこの場所に教会が佇んでいる場所です。
中庭にある回路は、長い歴史を感じある高い柱、天井に描かれたアートが美しく、展示とともに見どころでもあります。
■Gucci
会場:San Marco,20121, Milano MI(Chiostro Grande di San Simpliciano)
Info:https://www.fuorisalone.it/it/2025/eventi/5465/Gucci-Bamboo-Encounters
ロエベは、国際的に著名なアーティスト、デザイナー、建築家25名によるティーポット・コレクションを展示。中には、日本人アーティストの方もいるので見逃せません。
ティーポットに灯りが照らされた静寂な空間に展示されている作品は購入可能。
会場になっているのは、かつて王宮として使用されていた「パラッツォ チッテリオ(Palazzo Citterio)」。手入れの行き届いたガーデンは、一休みするのにもおすすめの場所です。
■LOEWE
会場:Via Brera, 12, 20121 Milano MI(Palazzo Citterio)
Info:https://www.fuorisalone.it/it/2025/eventi/6082/LOEWE-TEAPOTS
アルテメスト(Artemest)は、2015年に創設されオンラインで家具やインテリア、照明、職人のハンドメイドなど厳選されたデザインを取り扱っています。10 周年を記念して、L’Appartamento by Artemest を開催。
19世紀に建築されたパラッツォ・ドニゼッティ(Palazzo Donizetti)が会場。
美しい邸宅の各部屋に、世界的に評価の高いインテリアデザイナーがそれぞれ個性的な空間を演出。
Artemestの180 人以上の職人、ブランド、アーティストによる家具や照明、アート作品が展示されています。
人気なスポットでもあり、入場するのには2時間待ちになることも。
■L’Appartamento by Artemest 2025
会場:Via Gaetano Donizetti, 48-54(Palazzo Donizetti)
Info:https://www.fuorisalone.it/en/2025/events/5178/LAppartamento-by-Artemest-2025
今年のミラノデザインウィークは4月13日まで。
ファッションの町ミラノで、ワクワクするような体験をお楽しみください。
世界中から人々が集まり、1ヶ月前にはホテルの空きがないことも。デザインウィーク愛好家は、1年前からホテルを予約する人もいるそうです。来年の春は、ミラノのデザインからインスピレーションをもらう旅を計画してみてはいかがですか。
フオーリ・サローネURL : https://www.fuorisalone.it/en