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【岡山・倉敷】倉敷美観地区の建物探訪 ~倉敷美観地区~

mami

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岡山特派員

更新日
2025年5月25日
公開日
2025年5月25日

倉敷美観地区は白壁の蔵と洋館が建ち並び、500以上の伝統的な建物が残る町です。この地域は、江戸時代後期から戦前までの建物が約9割も占めています。新しい建物も美観地区の伝統的な街並みを意識して建てられています。当時の町家も保存修理したり、新たに店舗として内装をリノベーションしたり、現在も脈々と倉敷の町家の建築仕様が受け継がれています。

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旧倉敷文化センター(現:倉敷公民館)

本町通りにある後方の三階建ての施設は、倉敷公民館です。1969年(昭和44年)に当時は倉敷文化センターとして建設されました。外壁は白壁と小さな窓、倉敷格子、貼瓦を使い美観地区の街並みに溶け込むように設計されています。設計者は、倉敷市庁舎や倉敷市民会館も設計した浦辺鎮太郎です。

旧中国銀行 設計者は薬師寺主計(1922)

通りを挟んで反対側にあるのが旧中国銀行です。この4月に外観や内装を新たにし、大原美術館の別館「児島虎次郎記念館」としてグランドオープンしたばかりです。
児島虎次郎は、大原美術館の所蔵品の収集に貢献した洋画家で、彼の作品や古代エジプト、西アジアの美術品などが展示・収蔵されています。
設計者の薬師寺主計(やくしじ かずえ)は、大原孫三郎に招かれ倉敷絹織(現:クラレ)の経営に参画しながら、大原美術館や倉紡中央病院(現:倉敷中央病院)など、大原家に関わりのある施設をいくつも設計をしています。

井上家住宅

本町通を東に歩くと井上家住宅があります。本町にたたずむ国の重要伝統的建造物群のひとつでしたが、かつては「本当に保存する意思があるの?」というくらい長年、荒れ果てた住宅でした。10年ほど前から保存修理工事が始まり昨年から一般公開されたばかりです。
倉敷美観地区内では最古の町屋住宅で築300年と聞きます。「倉敷窓」といわれる窓には、防火用の土塗りの扉を設置し、倉敷市内に現存する唯一の貴重なものだということです。
保存工事に際しては、10億円近い莫大な金額に賛否両論でしたが、廃屋状態からここまでの美しい姿になると施主や工事関係者でなくても感慨深いものを感じます。

井上家の向かいには、ジャムや焼き菓子が並んでいるお店がありました。古い町屋をリノベーションしたお店で、「三宅商店カフェ工房 土屋邸」とありました。いつオープンしたのでしょう?美観地区は訪れるたびに新しいショップが増えています。このショップのジャムは岡山のショップでも手に入り、とても美味しいのです。奥は宿泊施設もあるようです。

 

井上家の東には、クラシキワークショップビレッジという複合施設があります。入口にあるのは手ぬぐい屋さんです。細い路地を入ると中庭が広がり、その周囲に5店舗のショップが展開しています。

「ものづくり」をテーマに築170年の町屋をリノベーションし、地産素材を使った手ぬぐい、帽子、デニム、ガラス工芸、帆布など、県内でものづくりをする職人さんが軒を連ねています。工房もあるので、買うだけではなく、製作工程の見学や製造体験も可能でした。
自分だけのオーダーメイドもいいですね。ここも新しい施設と思っていましたがコロナ禍を経て、すでに8年も経過していました。

いかがでしょうか。通りをちょっと、歩くだけで歴史的価値のある建築物から倉敷の景観にあわせた建物まで、見ごたえのある建物が多いのも倉敷美観地区の魅力です。

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