イタリア・ナポリのおすすめ観光スポット10選！ポンペイなど見どころを紹介

ナポリを訪れるなら、国立考古学博物館は外せない。ここは、ギリシア・ローマ美術を所蔵する世界有数の博物館。ポンペイやエルコラーノの遺跡から発掘された出土品も展示している。『ファルネーゼのヘラクレス』という紀元前4世紀の模刻や、『アレクサンドロ大王の戦い』というポンペイから発掘されたモザイク画は必見。

ヌオーヴォ城は、5つの塔をもつ城壁に囲まれたルネサンス建築の城。13世紀に建てられ、15世紀に再建されて現在の姿になった。城内はパラティーノ礼拝堂と美術館になっており、彫刻や絵画を楽しむことができる。城の屋上へ行けば、眼下にナポリの美しい町並みが広がる。

ナポリの中心部にそびえる王宮は、スペイン統治時代に造られたもので、内部は豪華絢爛な装飾が施されている。見どころは、フェルディナンド4世の婚礼を祝して造られた宮廷劇場、フレスコ画が美しい外交の間、王家の肖像画が飾られた玉座の間で、ナポリ宮廷の歴史を感じられるだろう。

ナポリの中心に位置するウンベルト1世のガッレリアは、19世紀末に建てられた美しいアーケード（ガッレリア）。ガラスと鉄で構成された巨大なドームが特徴で、まるで美術館のような雰囲気。ここには、高級ブランドショップやカフェなどが軒を連ねており、優雅なひとときを過ごすことができる。

美しい庭園をもつ国立カポディモンテ美術館には、ルネサンス絵画、ヴェネツィア派やナポリ派の絵画、陶磁器のコレクションなどが展示されている。見どころは、マザッチョの『磔刑図』、ベッリーニの『キリストの変容』、カラヴァッジョの『キリストの鞭打ち』など。王宮だった建物を利用した館内も美しく、特に舞踏室はシャンデリアや装飾が見事。

ドゥオーモは、ナポリの守護聖人である聖サン・ジェンナーロを祀る教会。きらびやかな装飾が施されている礼拝堂には、聖サン・ジェンナーロの血が保管されている。血液は、普段は凝固しているが、祭りの際に執り行う儀式により液体になるという。この祭りが行われる日は、ナポリは祝日となり、多くの人々でにぎわう。

サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会は、ナポリの歴史が凝縮された複合建築。教会の内部は豪華な装飾で彩られているが、その地下には古代の遺構が広がっている。地下では、ローマ時代から中世にかけて広場として使われていた場所などを見ることができる。

ナポリの旧市街に位置するサンタ・キアーラ教会は、14世紀に建てられたゴシック様式の教会。見どころは隣接する修道院回廊で、彩り豊かな陶板タイルで装飾された柱廊の、清楚な美しさが印象的。また、ローマ時代の浴場跡や博物館などもあり、文化的な価値も高い場所である。

ナポリ湾に浮かぶカプリ島は、美しい海岸線と青く澄んだ海が特徴の島で、何といっても青の洞窟が見どころ。洞窟内に差し込む陽光が海水を透かし青く輝くさまは、息をのむほど美しい。洞窟の狭い入口を船で通り抜けるので、少しスリリングな体験だが、それを乗り越えた先にある感動はひとしおだろう。また、島全体に広がる美しい自然や、高級感漂う町並みも見どころ。

ポンペイは、約1900年前にヴェスーヴィオ火山が噴火し、降り注いだ火山灰によってタイムカプセルのように閉じ込められた古代都市。建物や日用品などが保存状態よく残されており、人々の姿は見えなくてもその当時の生活を間近に感じられる。広大な敷地には豪華な邸宅や劇場などが点在しており、当時の人々が歩いたであろう石畳の上を歩いて遺跡を巡れば、過去の偉大な文明に思いをはせることができるだろう。

ナポリでは、古代ローマから中世、そしてルネサンスにいたるまで、さまざまな時代の歴史の息づかいを感じられる。今回紹介した10選の観光スポットは、どれもがナポリの魅力を存分に味わえる場所ばかり。実際に訪れれば、ドイツの文豪ゲーテが遺した「ナポリを見ずして死ぬことなかれ」という言葉の意味がよくわかるだろう。