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ボンジョルノ~山梨特派員の水月です。
「山梨特派員ローマへ行く~2022秋」シリーズ第15弾は「ヴァチカンを歩く~サン・ピエトロ大聖堂」です。
ヴァチカン市国に入国するために入国手続きのようなものが必要なのかと思っていたんですが、フリーパスなんですね。だから、トップの写真(写真提供:YasuoMaeda)のサン・ピエトロ広場を歩くのは自由です。
人だかりはカトリック教会の総本山「サン・ピエトロ大聖堂」に入るための列。みなクーポラに上りローマの街を眺め、大聖堂のなかを歩こうと並んでいます。この日は、朝10時頃に行ったので、列の長さにあきらめました。
あらためて朝8時に列に並び入場した日のレポートをお届けします。
2022年9月末。朝8時、100人ほど並んでいましたがおよそ15分でチケットを買い、約10分待ってエレベーターに乗りました。写真は「サン・ピエトロ大聖堂」のクーポラを内部から見たところです。
クーポラに上るエレベーターの到着地点に、ぐるりとクーポラのなかを歩ける通路があります。
美しいモザイク画を見ながら、ゆっくりと1周歩きました。
見下ろすと、ミサが行われていました。
そこから320段、階段を上ります。途中階段は、壁がクーポラの形沿ってカーブしていて斜めになり、歩きにくかったのですが、てっぺんに上がって見えてきた風景は、とても気持ちのよいものでした。
巨匠ベルニーニが設計した楕円形の「サン・ピエトロ広場」の向こうには、ローマの街が続いていました。
エレベーター乗り場があるテラスからは、ファサードに立ち並ぶ11人の聖人たちの後ろ姿が見られます。
ちなみに帰りは、エレベーターに並ばず階段を下りました。(チケットは上り下りセットでした)すべて階段だと551段。下りは、それほどたいへんじゃなかったですよ。
大聖堂のなかは、見どころ満載です。
写真は「聖ペテロの椅子」。聖ペテロ(=サン・ピエトロ)は、キリストの十二使徒のひとり。聖人の中でも特別な地位にあります。ステンドグラスを通して太陽の光が輝くブロンズ装飾は、ベルニーニの作品です。
左手前のねじれた柱は、同じくベルニーニが手がけたブロンズの天蓋「バルダッキーノ」の一部です。躍動感あふれるデザインは、当事(1633年)斬新だと評判だったそうです。
クーポラを支える4本の柱に置かれた、4体の聖人像。写真中央は「聖ヴェロニカ像」です。ほか3体は「聖ロンギヌス像」「聖アンデレ像」「聖ヘレナ像」。4つの祭壇があり、それぞれゆかりの聖人だそうです。びっくりするほど、大きな柱ですね。
ほかに、聖書の逸話が刻まれ、25年に一度開けられる「聖年の扉」。ベルニーニ晩年の作品「アレクサンデル7世の墓碑」。右足に触ると幸せになると言われている「聖ペテロ像」など、ゆっくり歩いて作品を堪能し、大聖堂のなかを楽しんでいただければと思います。
そんな大聖堂のなかでも、特別な存在。1499年、ミケランジェロが25歳の若さで完成させたピエタです。
「ピエタ」とはイタリア語で「哀れみ」を意味し、キリスト教では、聖母マリアが死んだキリストの身体を抱いている姿を表す言葉です。
ひと目見て、あまりの美しさに声が出ませんでした。何をおいても見ていただきたい彫刻です。
唯一、ミケランジェロのサインが入っている作品だそうです。普段サインをしないミケランジェロがサインを刻んだのは、ほかの彫刻家の作品だという噂が流れたためだと言われています。
多才な芸術家である「万能の人」ミケランジェロを、ちょっと身近に感じられるようなエピソードですね。
「サン・ピエトロ大聖堂」は、前に立つと圧倒され、ただただ見とれてしまうような存在感がありました。
キリスト教の教会のなかでも、世界最大級のバロック様式の建造物だといわれています。
前身の聖堂から、建築家ブラマンテが再建に着手したのが1506年。彼の死後、紆余曲折を経てミケランジェロが引き継ぎ、完成はそのミケランジェロの死後60年以上が経った1626年でした。
100年以上の時を費やし作り上げられた大聖堂。威風堂々というのでしょうか。威厳がありますね。そして、美しい。
併せて「ピンポイントスポット」も、お楽しみいただければと思います。
写真左手には郵便局があり、ヴァチカン市国から絵はがきなども送ることができますよ。
クーポラに上るスタートは、朝8時頃がおすすめです。どうぞお忘れなく。
☆「山梨特派員ローマへ行く~2022秋」シリーズバックナンバーはこちら
第1回 「旅の始めに」
第2回 「市場を楽しむ」
第3回 「バスの乗り方」
第4回 「ピンポイントスポット」
第5回 「アッピア旧街道巡り」
第6回 「サッカー観戦セリエA」
第8回 「B級グルメを食べよう!」
第9回 「ローマ近郊オルヴィエートへ」
第11回 「ローマ近郊世界遺産の街アッシジの教会」
第12回 「ローマ近郊アッシジ街歩き」
第14回 「スパッカ・ナポリを歩こう」