キーワードで検索
「自然と人間との対話」がテーマ
セントラルパークの西、西77丁目から西81丁目にかけての広い敷地に立つアメリカ自然史博物館は、1869年に設立された。テーマは「自然と人間との対話」。化石や生物など自然界はもちろん、さまざまな環境で発展した人間の文化や歴史といった人類学的な範囲まで、地球全体の進化を包括する。
設立に際し、土地と建物はニューヨーク市が提供したが、運営資金は多くの市民の寄付で賄われた。設立後約100年の間は、資金集めのため探検調査や展示室の増築を繰り返し、徐々に現在の巨大な博物館へと成長。コレクションは約3400万点、毎年約500万人の来館者があり、あらゆる分野の研究員を抱えている。セントラル・パーク・ウエストの正面入口には、博物館設立に貢献した第26代大統領セオドア・ルーズベルトの騎馬像があったが、人種差別的だとの批判を受け撤去された。
展示コーナー | 展示内容 |
『宝石・鉱物』Mignone Hall of Gems and Minerals | アメリカ最大級の隕石、トパーズ、世界最大のサファイアがある。改装のため閉鎖中。 |
『北米の哺乳類』Bernard Family Hall of North American Mammals | バッファローやムースなどの大きな哺乳類から小動物まで、40以上のジオラマが並ぶ。 |
『北西海岸ホール』Northwest Coast Hall | ここでの見ものは、カナダのクイーン・シャーロット島に代々住んできたハイダ族の巨大カヌー。 |
『海洋生物』Milstein Hall of Ocean Life | 天井からつり下がるシロナガスクジラのジオラマがいちばんの見どころ。そのほか、さまざまな環境の海に生息する魚類や哺乳類、鳥類のジオラマが展示してある。 |
『ローズ地球・宇宙センター』Rose Center for Earth and Space | プラネタリウムやビッグ・バ・シアターを含むエキシビションエリア。暗くなると神秘的に浮かび上がってまさに宇宙のようなイメージ。1〜3階からなる。 |
『アフリカの民族』African Peoples | 砂漠、ジャングル、川辺と異なる環境に住む人々の生活の違いがわかる。祖先を崇拝する祭りの場面も展示され、アフリカ音楽の流れるパワーあふれるフロア。 |
『太平洋の民族』Margaret Mead Hall of Pacific Peoples | ミクロネシアやポリネシア、メラネシア、インドネシア、オーストラリア先住民の作品は、色彩も鮮やかで、どこか明るい雰囲気が漂う。展示室の最奥に、世界七不思議のひとつであるイースター島のモアイ像がたたずんでいる。 |
『竜盤類恐竜』Saurlschian Dinosaurs / 『進化した哺乳類』Milstein Hall Advanced Mammals | 4Fは博物館最大の呼び物である化石があるフロア。アロサウルスやティラノサウルスの本物で完全な展示もある。約1万1000年前の氷河期までに絶滅したマンモス、マストドンも並ぶ。標本は600点を超え、約85%はレプリカではなく本物の化石だ。 |
『脊椎動物の起源』Vertebrate Origins | 生物の進化を表す系統樹ごとのまとまりで、脊椎動物の進化の過程がわかるよう展示してある。 |
NASAの最新技術と研究成果を駆使したドキュメンタリー映画のような演出で、迫力もストーリー性もある。ナレーションはルピタ・ニョンゴ。目の前で見られるのは、調査データから忠実に再現された火星や金星など太陽系の姿。ただのプラネタリウムとはひと味違うバーチャルトリップを体験しよう。日本語オーディオガイド貸し出し可。
映画『ナイトミュージアム』(原題:Night at the Museum)は、ここが舞台となったファンタジー作品。恐竜が生き返ったり、あり得ない!と思うこともあるが、スクリーンで見た展示物に出合える。原作の本や絵本はミュージアムショップで入手できる。