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この建物は、1703 年にバッキンガム公の私邸として建てられた。後に王室がここを買い上げ、宮殿の内部はリージェント・ストリートやリージェンツ・パークを設計した建築家ナッシュらが莫大な経費をかけて改装にあたり、社会批判の的ともなったほど贅を尽くしたもの。1837 年、ヴィクトリア女王即位と同時に宮殿となったが、その後も屋内プール(!)の建設など数々の改修工事を施している。
現在では、イギリス王族の公邸としてだけでなく、王族たちの公務、海外からの賓客を招く場としても使用されている。ロイヤル・ウエディングなどの際には、この宮殿のバルコニーに王室メンバーが勢揃いし、国民とともに祝賀行事が催される。
王または女王が宮殿内にいるときは正面に王室旗が飾られ、不在時は国旗が飾られる。正面広場に立つ金色の天使の像はヴィクトリア女王記念碑Queen Victoria Memorial。
王族の私邸ともいえる宮殿の一部が公開され始めたのは、1992年に起きたウィンザー城の火災が発端。この火災により、800万ポンドに上るといわれる修復費を捻出する苦肉の策がバッキンガム宮殿公開だった。これまでも、王族に課せられた多額の税金の支払いなどに充てるため、王が避暑に出かけることが多い夏期限定で公開が続けられている。一般に公開されているのは、王座の間The Throne Room、公式正賓の間The State Dining Room、舞踏室The Ballroom など、775室もあるというなかの公式広間19 室。とにかく内部は豪華。広々とした空間、ピクチャー・ギャラリーの絵画や調度品も見応えがある。大きな窓から見渡すバッキンガム・パレス・ガーデンズも、また絶景。
Buckingham Palace Rd. のビジターエントランスの窓口でチケットを購入してから入場できる。ただし、混雑する時期や週末など、当日券ではすぐに入場できないこともあるので、時間に余裕がない場合はオンラインで日時も含めた予約をしておくといい。特に衛兵交替式後は混み合う。
チケットを受け取ったら、セキュリティチェックを受けて中へ。各国語のマルチメディアガイドには日本語もあるので、詳しい説明を聞きながら巡ることができる。じっくりと聞きながら歩いた場合、見学には所要2時間〜2時間30分はみておきたい。宮殿を出た所にバッキンガム・パレス・ガーデンズに面したカフェがあるのでひと息入れることも可能。トイレと王室関連のおみやげが揃う売店では日本語ガイドブックも売られている。宮殿内の絵画や調度品、王室の歴史など詳細を知りたい人にはおすすめだ。そこから庭園を歩いてGrosvenor Place 側から出る。出口はセント・ジェームズ・パーク駅よりヴィクトリア駅かハイド・パーク・コーナー駅のほうが近い。
宮殿正面に向かって左側、ちょうどヴィクトリア駅に通じる通りBuckingham Gate 沿いにある。1962年に開設し、その後、2002年に女王の在位60周年を祝ったゴールデン・ジュビリーの際に大規模な改修と拡張を経て再オープンした。450点余りの王室所有の美術品がテーマを変えて公開されている。
直訳すれば「王室のうまや」。王室の馬車などが多数置かれており、ウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤル・ウエディングで使われた馬車の展示もある。展示だけでなく、このミューズの一角には、今も馬や馬車の手入れをする人々が暮らしているのだそう。日本語オーディオガイドを聞きながら、じっくりと回ることができる。
衛兵交替The Changing of the Guardは原則として11:00 〜。夏期は毎日、ほかの時期は季節によって変動する。天候や王室行事などで変更や中止もあるので、ウェブサイトなどで必ず事前に確認したい。
衛兵交替スケジュール
https://www.householddivision.org.uk/changing-the-guardcalendar
交替式の間は、バッキンガム宮殿の門の両脇とヴィクトリア女王記念碑の一角は柵やテープで囲まれてしまう。途中移動は難しいので注意。またスリが横行しているので要注意!
大まかには、セント・ジェームズ宮殿とバッキンガム宮殿で任務についていたオールド・ガードが、ウェリントン兵舎などから出てくるニュー・ガードと交替するセレモニー。この有名な近衛兵の交替式は、広い前庭を使って行われる。交替式の前から、周辺はロンドン中の観光客が押し寄せてきたかと思うほどの人混み。できるだけ早く行って中央入口の前、ヴィクトリア女王記念碑か正門あたりに陣取るのが得策だが、それがだめなときは、セント・ジェームズ宮殿St. James's Palace から出てくる衛兵の行進が見えるThe Mallか、ウェリントン兵舎の近くで待つのもいいだろう。
●衛兵交代の大まかな流れは以下の通り。下図も参照
10:00 頃からセント・ジェームズ宮殿とウェリントン兵舎に兵士が集まり演奏などがはじまる。ニュー・ガードには楽隊の行進も付く。
❶10:43 オールド・ガードがセント・ジェームズ宮殿から衛兵が出発する
❷10:47 ニュー・ガードがウェリントン兵舎からバッキンガム宮殿へ
○11:00 バッキンガム宮殿正門内での交替式開始
❸11:10 セント・ジェームズ宮殿交替兵がバッキンガム宮殿を出発
❹11:25 セント・ジェームズ宮殿分遣隊がセント・ジェームズ宮殿を出発
❺11:40 オールド・ガードがバッキンガム宮殿からウェリントン兵舎へ
❻11:45 セント・ジェームズ宮殿ガードがバッキンガム宮殿を出発
バッキンガム宮殿やウィンザー城などのチケット予約はロイヤル・コレクション・トラストRoyal Collection Trustが管理している。予約サイトに入り、「BOOK TICKETS」を選択します。
追加のガイドや書籍購入などの案内があるので希望者はチェックを入れる。(ここでは選択していない)次に予約内容の確認欄があるが、ここも内容に間違いがなければ「CHECK OUT NOW」でよい。(giftaidというイギリス国内のチャリティへの選択欄があるが、イギリス在住者でなければ特に気にしなくてよい)「CHECK OUT NOW」を押すと、以下のような個人情報画面が出るので、適宜打ちこむ。打ちこみ終わったら「CONFIRM MY DETAILS」を選択。
VELTRAなどの日本語があるツアー予約サイトでも上記チケットが購入可能だ。ただ、枚数制限などもあるようなので、可能なら公式サイトから早めに予約した方が安心できる。