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シテ島にある、パリ最古のステンドグラスで知られる教会。ルイ9世が、コンスタンティノープルの皇帝から買い求めたキリストの聖遺物、茨の冠や十字架の木片(現在はノートルダム大聖堂に収蔵)などを納めるために造らせた礼拝堂で、完成は1248年。壁を最小限に切り詰め、いわば鳥籠のような構造にし、燦然と輝くステンドグラスで埋め尽くした。ゴシック様式の極致ともいえる。礼拝堂は上下2層に分かれている。下部は王家の使用人のためのもので、壁が厚く、窓も小さく、低いリブ・ヴォールトを列柱が支え堅固な造りとなっている。派手な彩色は19世紀に施された。
狭い階段を上って上部の礼拝堂に出ると、そこは一面ステンドグラスに包まれた幻想的な世界。15の窓のステンドグラスに描かれた、1113景もの場面をたどるのは大変なことだが、正面に向かって左、創世記のアダムとイヴの物語くらいは、拾い読みしてみたい。双眼鏡があると便利だ。